玄関ホールからキッチンへのドアを引き戸に改修
廊下とキッチン(食堂)を結ぶドア。
ドアの開き勝手が部屋を狭くしている。
部屋が狭いと、引き戸は引き込み場所に困ることが多いが、隣にあった収納を利用。
収納の両開き戸と天袋の間にレールを通してアウトセットの片引き戸を取付。
収納の引き手は、引き戸と干渉しないように見込みが小さいものに交換しました。
開口を大きく取りたいので、引き残しは無しで全開口。床高さも、揃えました。
キッチンの改修
昭和に香りがするタイル貼りのキッチンを解体。
傷みのない出窓の床板のステンレスと、柱・土壁だけを残して全てを撤去。
吊り戸棚を付ける為に窓は少し小さくして、断熱性を向上させる為に樹脂製内窓(Low-eペアガラス入り)を設置。
キッチンの周辺は、ホーロー性のパネルで仕上げ、油汚れもさっと一拭き出来ます。
吊り戸棚からは水切り棚や調味料入れをプルダウン出来ます。
セルロースファイバー拭き込みによる天井裏断熱
9ミリ厚の天井板だけで、何の断熱もしていなかった天井。
木の天井組がよく見えています。
セルロースファイバー断熱材の吹き込み施工。
ソイインク(大豆から作ったインク)を使用した新聞紙由来の紙繊維に、ホウ酸による自己消火性と防虫性を持たせた材料。
既築建築物に施工する分には、最も費用対効果の高い工法と言えます。
リビングとキッチンの間仕切りに大きな開口を開け大空間に。
食堂と居間の間の壁は小さなドアで繋がっていました。
壁を3尺だけ残して解体、1.5間の3枚引き戸にしました。
Yレール式の引き戸なので、取り外しも簡単。
娘さん家族が帰省したときは、3枚扉とも外して、大空間で食事会が出来ます。
壊した壁に筋交いが入っていたので、残った3尺の壁に筋交いを追加して、強度が落ちないようにしました。
床の段差解消、床暖房の設置
食堂の床は、ラワン合板にクッションフロアが貼ってあったのですが、傷みが激しく、歩くとフカフカする状態でした。
通常は根太を残して貼り替えるのですが、廊下との段差解消と床暖房導入の為、と大引きだけ残して全て撤去します。
既設の給湯器が、床暖房対応の機種だったので、そのまま使用し、床下を配管します。
大引きの間に、厚さ40ミリの発泡ポリスチレンの断熱材を入れ、28ミリの合板を下地にします。
冷蔵庫の前は、買い物してきた食品を床に置いてしまう為、床下収納を設置することで、無駄なく床暖房の無いクールスポットを儲けます。
床暖房パネルは出来るだけ隙間なく設置します。
但し、冷蔵庫の前は食品を床に直接置くことが多いので、逆手にとって、床下収納庫を冷蔵庫の前に設置します。
床仕上げは床暖房対応のフローリング材、明るめのナチュラルな木目のイメージに統一します。
ご主人を除いて、皆さん導入反対だった床暖房も、一度使えば手放せません。
お孫さんが遊びに来る度に”帰りたくない”とだだをこねると、目を細めて話されるご主人でした。
窓の断熱改修(内窓設置)
《断熱改修:内窓の取付》
全ての窓(納戸、廊下を除く)を、樹脂製内窓(Low-eペアガラス入り)を設置して二重サッシにしました。
国土交通省の助成対象になるので、材料+施工代の1/3が国から補填されます。
又、所得税減税と固定資産税の減額も受けることが出来ます。
断熱性能は、内窓設置前と比べて、約5倍になります。
”工事前は、エアコンを25℃に設定しても寒くて、石油ストーブを併用していた位なのに、居間は、室内温度18℃でも凄く暖かい”と、御施主様。
土壁が蓄熱し、壁、床、天井、窓の全てが輻射熱を出すことや、部屋の中で対流が起きにくいことが、暖かさの原因でしょう。