『サッシの取替』
南面に並ぶ3本の掃き出し窓。東から2本は、2間のランマ通しの雨戸付サッシ。
もう一本は、和室の1.5間の雨戸付掃き出しサッシ。
ご主人も60代になり、背の高い雨戸の出し入れが、少しおっくうになってきたところ。
南に隣接する土地は、田圃が拡がり、風通しの良いことこの上ない状態。
網戸の頻繁にレールを外れ、キーキーと音なりしています。
外壁の貼り替えも同時にご用命頂いていたので、サッシの取替を提案。
雨戸に悩まされないように、電動シャッター付をお薦めしました。
風当たりがよいので、ガラスは、4ミリ+空気層12ミリ+4ミリのLow-eペアガラス。
防犯ペアガラスにして、シャッター無しの場合と比較しましたが、価格は電動シャッターの方が安上がりでした。
窓の高さは既設の窓に合わせてオーダー製作。
間口方向は、3本とも1.5間にし、シャッターは規格の幅の物を使うようにしました。
2間から1.5間に絞った分、耐震性の高い壁で埋めて、重心(建物の重さの中心)と剛心(建物の耐震力の中心)の乖離を極力小さくしました。
重心と剛心が離れていると、大きな地震の時には建物が捻れるように倒壊します。
新規のサッシは、屋外側はアルミ、室内側は樹脂という複合サッシ、枠も熱伝導を遮断する仕組みになっているので、滅多なことでは結露しません。
ランマも無くなって、スッキリしたスマートな窓になりました。
『外壁の貼り替え』
木目のカラートタン貼りの外壁が、色褪せ、所によっては腐食していたので、金属サイディングに貼り替えることにしました。
外壁を剥がして、土壁の状態にし、1.5尺ピッチで30x40の間柱を固定していきます。
土壁の上に、50ミリのグラスウールを貼り、断熱性を確保。
当然、少し脹らんでしまったグラスウールを横胴縁で押さえます。
その上に透湿防水シートを貼り、金属サイディングを重ねます。湿度調節を土壁に任せるので、通気層は無し。
グラスウールとサイディングの断熱性能を足し算して算定出来ます。
外壁を剥がしたときに、耐震補強の金具を取り付けておくことも忘れません。
このタイミングで行えば、数万円で出来ます。
木目模様のあるサイディングを使用、玄関廻りだけ、シックなブラックに仕上げました。
1年前に台所リフォームをして、キレイに仕上がっているので、台所の出窓は取り替えずに、ガラスを交換して断熱性能をアップ。
リフォームに絡む他の小さな窓はLow-eペアガラス入りの断熱サッシに取り替えます。
『浴室のリフォーム』
狭くて寒いお風呂を、広くて暖かくて段差のないお風呂に取り替えます。
タイル貼りのお風呂は目地に亀裂が入り、おそらく多少なりとも腐食は進んでいる模様。
慎重にタイルをハガシ、洗面所との間仕切りも撤去します。
浴室へ入るドアの敷居から脱衣室の床にかけてはかなり腐食が進んでいましたが、綺麗サッパリと取り除きます。
サッシも取り除いて、内外とも土壁剥き出しの状態にします。
浴室を拡げるので、廊下から脱衣室への入り口の位置が変わるので、この壁も大きく撤去します。
新たな給排水の配管を準備したら、新しいユニットを据える為の土間コンクリートを打設。
2日間の養生の間に、新しいサッシの取付や、電気の新たな配線、床暖房の信号線なども準備しておきます。
ユニット本体は、1日で完成、給湯器は、1年前に取り替えたばかりなので、お風呂用リモコンも既設で使っていた物を復旧します。
ユニットバス本体を、オーダー寸法で製作したのですが、浴槽の桶の部分は、規格寸法が決められています。
これは結果オーライ。
入り口側のお風呂の縁が、30cm近くもあるので、同居しているお婆ちゃんは、この部分に腰を下ろしてから浴槽に足を運んで貰えば、安全です。
『脱衣場にも床暖房を設置してヒートショック対策』
ユニットバスが組上がったら洗面所(脱衣場)の造作です。
最終の廊下の床高さを基準に大引き、根太の高さを決めます。
大引き(90cmx90cmの角材で91cmピッチで並んでいる)は、鋼製束で支え、下がらないようにします。
根太の間に、40ミリの発泡ポリスチレンの断熱材を敷設、隙間無く詰めます。
コンパネを捨て貼りしたら、床暖房パネルを設置。
パネルの周囲には、厚さ調節のコンパネを貼り、高さを均一にします。
入り口引き戸の近くや、洗面所のできあがりの手前には、パネルが届かなくて、このままでは、冬場に不快感を感じる(足の指先が冷たい)ので、0.4ミリのアルミ板を貼って、御施主様の足が行く範囲は全て熱が伝わるようにします。
床の仕上げは床暖房対応のフローリング。
今回のリフォームのカラーは、明るめの木目に統一しています。
浴室との間仕切り壁に沿って、細長い窓を新設します。
床の養生をして、壁と天井のクロス貼りをします。
洗面台、ミラーキャビネット、ウォールキャビネットを設置します。
細長い窓は、壁とミラーの間にすっぽりと納まりました。ここでもう一工夫。
歯磨き粉混じりの滴が、うがいの度に飛び散ったりするの、気になりませんか?
ここでは、さっと一拭き出来るように、滴が飛ぶ可能性のある部分は、全てホーローのパネルで覆いました。
接着剤が固まるまで、緑色の養生テープで仮固定しています。
ヒートショック対策としては、最善を尽くしたかな。
冬期はお風呂に給湯するタイミングで、浴室暖房と、脱衣室の床暖房を入れて貰うようにしました。
万一、血圧の急低下が起きてふらついても、躓くことがないように、廊下から脱衣室→浴室戸、フルフラットな床になっています。
温度差も、床段差も全くない空間に出来たかな。
入浴は毎日のことですからね。
『リビングの床暖房工事』
一日の大半を過ごすリビングルームを快適に安全にする為に、床暖房を入れます。
隣の食堂は、前年のリフォームで(他のリフォームやさんの手で?)設置済みなので、熱源機(給湯器)は、既設の物をそのまま流用出来ます。
既設の床を捲り、根太も撤去します。
廊下との段差を無くす為、高さを上げられないので、28ミリの合板を、大引きに直接打ち付けて、床下地にします。
もちろん、その前に、40ミリの発泡ポリスチレンの断熱材を敷設して。
脱衣場の床下を通った温水配管は、断熱被覆材一体のものを使用、とにかくロスを減らします。ピアノと収納棚だけを避けて、後は前面に温水パネルを敷設。仕上げは、床暖房用のフロアー材です。
温水マットも、上面発熱量を増やす工夫がされているタイプを選んでいるので、低温設定の湯温でも、十分に迅速に暖まります。
『テラスの取替』
物干場として使用していたテラスも、外壁の貼り替えに邪魔になるので、一端撤去します。
”もう少し、雨・風に右往左往しなくて良いテラスにならないかな”と言う奥様のご希望に沿って、3面に少し垂れ壁のある、半分囲った感じのテラスにしました。
袖の壁は、出入りに邪魔にならないように、壁際を90cm程通路として確保しました。
『フェンス・門扉の取替』
庭木に押されたり、長年の使用で手すり庫が外れ立ちしていたフェンスも取替をしました。
外壁の張替の為の足場組に邪魔になる部分もあるので、一度は撤去の必要があったので、この際新調しようとのことでした。
併せて門扉も交換しました。
『カーテンゲートの取替』
道路からの侵入部分のカーテンゲートも取替しました。
土間に傾斜があるので、通常のキャスター付のカーテンゲートは傾斜に負けて道路に押し出されていきます。
今回は、門柱から片持ち形式で空中に浮いた形のゲートにしました。
土間の傾斜は関係なく、奥様でも簡単に開閉出来るようになりました。
『バルコニーの復旧』
外壁を貼り替えるのに一時撤去した柱建て式のバルコニーを復旧します。
平成2年の増築時に設置した物ですが、柱部分の地盤が少し沈下したようで、デッキに傾斜が着いていました。
元々片方の柱が地面から手すりまで通っていない管柱形式なので、傾きがあるのは芳しくありません。
水平を取って復旧し、日焼けしてしまったデッキ材のみ新品と交換します。
アルミ部分は、ほとんど腐食もないので、新品と見まごうばかりです。